Day 1 補充問題全訳

 1954年、レイ・クロックという人が、ミルク・シェイクの製造器を販売して生計を立てていたが、
南カリフォルニアのハンバーガー店について耳にするようになった。彼が聞いたところでは、このレス
トランは彼の機会を8台購入していた。(1-A)これは一度に40個のミルク・シェイクを作れること(1-A)
を意味していた。(8)クロックは機械とシェイクの数の多さに驚いた。彼はもっと詳しく調べてみること
にした。飛行機でカリフォルニアへ向かい、自動車で街角の小さな建物である、そのレストランへ行き、
朝、従業員が到着するのを見守った。(8)彼らは清潔な白いシャツを着て、紙の帽子をかぶっていた。彼
らはよく訓練されているように見えたが、楽しそうでもあった。

 昼食時にはお客が駐車場へと流れ込んで(1-B)きて、何袋ものハンバーガーを求めて(1-B)列を作った。
彼はその一人に近づいた。
「(2)どのくらいよく来るの」彼が聞いた。
「いつもよ。近所に住んでるの。」彼女は答えた。

 (8)クロックは彼女のレストランへの忠誠心と、見た目にもはっきりとうれしそうにハンバーガーを楽
しんで食べている様子に感心した。(3)彼にはすばらしいビジネスチャンスが見えた。

 彼は翌朝、再び訪れると、今度は中に入ってキッチンがどのように構成されているかを見た。コック
たち、特にフライドポテトの調理を担当しているコックたちに特別な注意を払った。(4)彼の想像力をと
らえたのは特にフライドポテトだった。それらは最高級のアイダホポテトでできており、それぞれが訳
230グラムで、きつね色になるまで油で揚げて、それから塩がふられた。外はカリカリっとして中は
柔らかかった。その日クロックはカリフォルニア州の(5-A)このレストランとそっくり同じレストランの
チェーン店が、カリフォルニア州の(5-B)黄金色のフライドポテトとそっくり同じものを国の端から端ま
で売っている様子を思い描いた。彼はレストランを所有する二人の兄弟にフランチャイズの権利(チェ
ーン店を展開する権利)を売ってくれないかと頼んだ。彼らは同意した。兄弟の名前はマック・マクド
ナルドとディック・マクドナルドだった。

 その日、カリフォルニア州で、ファースト・フードの偉大な考案者レイ・クロックは歴史に一歩踏み
込んだ。(6)彼が世界中に広めた、有名なーーー多くの人は悪名高いというかもしれないがーーーマクド
ナルドのレストランチェーンによって彼は金持ちになった。彼は人々が気に入る規格化した食料品を完
成させた。彼は何千というマクドナルドのフランチャイズ権を販売し、よく知られていて頻繁に用いら
れていた工場の経営方式をレストラン産業に適用した。(7)このようにして、彼は世界中の人々の食を変
えたのだ。

問1 下線部(1−A)(1−B)をほぼ同じ意味になるように言い換えなさい。
*両方とも、文の後ろに置かれた分詞構文の書き換え問題。意味の可能性は二つ。A:「そして〜は」
と前から訳すか、B:「〜しながら」と同時進行の意味で後ろから訳すかのどちらか。ここではどちら
もAのように前から読むパターンでよし。
1−Aは、and that meant となる。このthatは直前の文を丸ごと(このレストランは彼の機会を8台
購入していた)受けています。ところが、解答欄のカッコの数は2つ。ここで「前文の内容を受けるこ
とができる関係代名詞の用法」に思い当たるかどうかが正解へたどり着く分かれ目。カンマ付きのwhich
です。最終的に(which) (meant)で正解。
1−Bのline「列をなす」の主語はcustomersです。代名詞のtheyにして、正解は(and) (they) (lined) 
となります。

問2 空所(2)に入る最も適切な発言は?
*会話文の空所補充は、前後の発言に手がかり有り。ここでは返事のAnytimeがポイント。「いつでも」
と、「時間・行動の回数」に関する言い方です。従って、正解はHow often ~?「どれくらい(の回数・
頻度で)ここへ来るの?」です。

問3 下線部(3)の内容を日本語で説明しなさい。
*解答欄も2行用意されているので、それなりに「詳しく説明」しなければならない。まず直訳は「彼
にはすばらしいビジネスチャンスが見えた。」です。要は「すばらしいビジネスチャンス」の中身がは
っきりできればOK。正解は「このハンバーガー・レストランを全米に広げて成功する可能性を感じた」
ぐらいでしょう。

問4 下線部(4)を日本語にしなさい。
*ポイントは2つ。It is ~ thatの強調構文をはっきり出すことと、French friesが日本語では「フラ
イド・ポテト」になることを知っていること。講義でも言ってましたが、「カタカナ」言葉には様々な
意味で注意をしておきたい。正解は上の全文訳を参照。

問5 下線部(5−A)(5−B)の指すものを本文中から抜き出しなさい。
*oneという「同種のもの」を示す代名詞の問題。基本的にはすぐ前にあるものから選べばよし。(5
−A)のthe oneは日本語でいうと「レストラン」を指している。本文中で見ると、a chain of restaurants
となっています。ただし、the oneは「単数」なので、正解は(the) restaurantのように「単数」で答
えます。(5−B)はthe onesと「複数」です。素直に(golden) friesと答えればOK。

問6 下線部(6)について次の英文を完成させるとき、最も適当なものを1つ選びなさい。
*下線部(6)は簡単に言うと「彼が金持ちになった」、そして、(6)の問題文は「レイ・クロック
の富の一番の源は(  )である。」、つまりレイが何から富を得ているか、です。決して「ハンバー
ガー」でなく、「チェーン店を他人に経営させるときに入ってくる契約料=人々が買うフランチャイズ
権」です。

問7 下線部(7)の内容を簡潔な日本語でまとめなさい。
*In this way「このようにして」の中身を日本語で説明する問題。典型的なthisの説明問題。直前の
部分を要領よくまとめたい。「フランチャイズを展開しレストラン経営に工場の経営方式を取り入れて、
人々の好む食べ物を規格化したこと」

問8 次の選択肢のうち、クロックが感銘を受けなかったものを1つ選びなさい。
*本文中に(8)で示した3つ以外のものであるC「マクドナルド兄弟のハンバーガー店の大きさ」が正解
となる。

問9 本文のタイトルとして最も適切なものを1つ選びなさい。
(1)1950年代のカリフォルニア文化におけるハンバーガー
(2)マクドナルド兄弟がハンバーガーを完売した日
(3)レイ・クロック:ファーストフードの先見者
(4)マクドナルドが私たちの食を改善した方法

(4)も正解のようで気になるが「改善」したわけではない。「食のあり方を変えた」だけである。正解は(3)。

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