同じ血を引く ラリーズ グラジエーター

RENAULT 8 Gordini  & SIMUKCA Rally2

 ルノー 8 ゴルディーニ  
      & 
シムカ ラリー2


真四角な箱ボディーにリアエンジン。
普通の4ドアセダンをベースに
アメディ ・ゴルディーニがチューンを
施したラリーカー。
生い立ちは違えどグラジエーターの
血を注ぎ込まれた戦闘マシーン。

当時も比較をされたであろう2台を
1/18の視点で検証をしてみた。

1934年、フィアットによってフランスで設立されたシムカ。
日本ではあまり聞きなれないこの会社はトッポリーノのノックダウン生産を始め、シムカゴルディーニの名でF1
にも参戦したフランス第4のメーカーであったが、1963年にアメリカのクライスラーに乗っ取られ、その後の
1978年にはプジョーに売却され、さらにタルボ とブランド名を変え1986年には半世紀の生涯を閉じた波乱の
自動車メーカーである。
今回用意したシムカラリー2 は1962年に登場したシムカ 1000ベルリーナ をベースに1972年にラリー1と共
に送り出されたツインキャブ、86hpのモデルである。  

一方、名門ルノーの 8 ゴルディーニ は1100マジョールをベースにシムカラリーより6年早い1966年に同じ
アメディ・ゴルディーニのチューンを施された103ph のホットモデルである。  

ダッシュボードはシンプルに、5つのメータが横に並ぶ。
左右共フルバケットシートに4点式シートベルト、消火器、
さらにはロールーバーを装備した完全ラリー仕様である。

こちらも視認性の良い5連メーターとフルバケットシート
を装備。
「Rally」の文字がサイドに張られ、メーカーのこだわり
が伝わってくる。

エンジン : 水冷直列4気筒 OHV 1294cc
パワー  : 86hp / 6200rpm
トランスミッション : 4段
ブレーキ : 4輪ディスク

エンジン : 水冷直列4気筒 OHV 1255cc
パワー  : 103hp / 6500rpm
トランスミッション : 5段
ブレーキ : 4輪ディスク (量産車初)

ルノーがエンジンの真後ろにラジエターを配置しているのに対し、シムカはアバルト1000TCR等と同様に
フロント下部に配置したラジエターとエンジンを結ぶ。
駆動系のスペックを見る限りでは先に登場したにも関わらずルノーに軍配が上がる。
しかし後の1977年には103hp 、オーバーフェンダーで武装したホットモデルのシムカ3 が登場し面白い対決
になったかと思われるが、既にルノーはアルピーヌ・A110に世代交代しているのである。

ボディーははそれぞれ
モノコック式である。
トレッド&ホイールベース
はほぼ同じであるが、車体
サイズはルノーの方が一回
り大柄である。
シムカの全長が 3797mm
に対してルノーは3995mm
と20cm長く、車重も720kg
に対して795kgと、人1人分
重たい。

駆動力ではルノーであるが、
軽快さではのシムカが勝って
いたのではないだろうか。
既にラリーの常勝マシーンと
なりアマチュアドライバーの
憧れの的であったルノーに対
して少なからずライバル心が
有ったであろうと想像できる。


オイルパンの形状に目をやる
とイタリア的、フランス的な違
いが見て取れ、それぞれの
生い立ちの違いが現れてい
る様である。

今は無き波乱のメーカーであったシムカ、対する国営メーカーとして歴史を刻むルノー。
その2社から誕生した同じアメディ・ゴルディーニの血を引くこの異母兄弟は戦うラリー戦士として伝説となり、
現在もマニアから捜し求められるモデルであることに違いないのである。

1/18 RENAULT 8 Gordini  by Solido   

1/18 SIMUKCA Rally2  by NOREV
Analog Cars