円形脱毛症はその原因が,ストレスや自己免疫,内分泌障害,毛周期障害などと考えられていますが,はっきりしないことががほとんどです。 また一般的な治療に効果を示さないかたも数多くいらっしゃいます。 そこで現在,海外や日本の施設(主に大学病院)では円形脱毛症に対する有効かつ安全な方法として,局所免疫療法が行われています。院長も総合病院勤務時に行っていました。当院でも,一般の各種治療に抵抗性の円形脱毛症の患者さんにこの治療法を行います。
   

病変部にかぶれを起こさせ,局所の免疫を変化させ発毛を促します。まず,高濃度の薬剤(現在はSADBE)で感作を成立させます。以後は低濃度の薬剤を1〜2週毎,病変部に塗ります。60〜70%有効ですが,無効なかた,繰り返すかたもいらっしゃいます。
   

軽度のかぶれを起こさせことが必要ですが,過剰にかぶれが起こることがあります。その場合本治療を一時中止し,かぶれの治療を行います。まれに感作が成立しないかたがいっらしゃいます。その場合本治療は無効ですので,他の治療に切り替えます。