----------------------変化球とその投げ方---------------------

平成12年8月3日-----------------------------星野 秀孝



投手の目的

変化球は腕の使い方、特に肘や手首と指先の使い方でボールの回転に変化を加えて打者のタイミングや目線の狂いを生じさせ、的確なミートをさせないという目的があります。 それには鋭くキレのある変化球であれば効果があります。 そのような変化球を投げる方法が重要になってきます。 変化球は手の操作によって投げ分けるのです。 下半身の形は全ての球種においてほとんど同じと考えていいでしょう。しかし、この下半身の形を完全(タメが充分にある)にしておくことが、手の使い方をさらに生かすことにつながるので、この手の使い方と下半身の形はきりはなして考えられないことを前もって伝えておきます。 下半身と手の使い方がマッチしてこそ、全ての球種が優れる要素を持ち合わせたフォームの完成といえるでしょう。 変化球は特に腕(肘)が上がっていないことや、遅れ(握ったボールと頭の距離 が離れすぎ)ていたら、まず良い変化球を投げることは出来ません。 ということはトップの形(投げる瞬間の手の位置)が重要になります。 しかしトップにも良い形と悪い形があります。 私が考える良いトップとする形とは、腕が上がりきった時の形の時ボールを握った手のひらが後頭に向いていて脇が大きく開いている形です。 肘の曲げた角度は90度以内でボールが頭の近い所になった形、この形が最も強く腕を振り出せる良いトップの形です。 このテイクバックでのトップの形は元来カーブを投げるときの上げ方なのですから現在変化球が良くない人は、この形が出来ていない事が大きな原因になっていると思います。 自分の現在のテイクバックと比較してみて下さい。 私のフォームでのテイクバックは、カーブを投げるときのテイクバックなのです。 ストレートはその形から手のひらを地面に向けるように切り返して投げるのです。この腕の使い方がより腕をシャープに振る為の秘訣でもあるし、肩、肘の関節や筋肉に対しての理想的な使い方になるので故障になりにくいのです。 投げ方の秘訣は理論と重複しますがそういうつながりがあるのです。 それでは重要なトップの形が解ったことから本題の腕の使い方に入ります。

カーブの投げ方(その1) まずは手首を使う投げ方

カーブを投げる特に、たてに落ちるカーブを投げるためには、 手首の角度(形)が大きなポイントです。 手首の形を自分から見て(右投手の場合)への字に見えるようにしておき、 トップから肘を1番先に使って行きます。リリースポイントの時の手首の使い方としては、 柱にくぎを打つような使い方をしながら 中指と人さし指でたての回転(ストレートとは逆の回転)をあたえるようにし、 親指を使ってさらに強いスピンをあたえるようにします。親指を使うのはむずかしいので、 とりあえず中指と人さし指でスピンを与えるようにしましょう。 そして、柱にくぎを打つような手首の使い方の時もへの字の形の手首にしておかないと たてに落ちませんから注意して下さい。このような腕の使い方を、 ゆっくりと始めながら体に覚え込ませてから、 ワインドアップやゲーム形式のセットポジションからの投球をして下さい。 ボールの握り方は、中指のほぼ全体を縫い目にそえるようにして、 人さし指は中指に近づけた所にした握りと、親指を使いやすいようにするために少し曲げた形にし、 中指と人さし指は、指先に感覚があるようにしておくことです。

カーブの投げ方(その2) 手首を使わず投げる投げ方

握り方は親指と中指と人さし指の先が縫い目にかかるようにして非常に軽く握ります。 手首の形は、やはりへの字のまま投げるのですが、その際手首は固定したままというか使わずに投げ、 指先から抜け出すような感じにして投げる投げ方です。 ポイントはリリースポイントでのボールを握る力加減です。 ストライクゾーンに行くようなボールの抜き方をマスター出来れば、 この投げ方のカーブが1番楽な投げ方になると思います。腕はシャープに振ることは当然です。

カーブの投げ方(その3)

2の投げ方と同じですが指先を使わない投げ方です。 握るとき指先を浮かせ指の第一関節の所でボールをはさみ少し強く握ります。 あとは2の投げ方と同じ要領で手首を使わずにボールを抜く投げ方です。 フォークボールの変形と考えるとわかりやすいと思います。 カーブを投げるとき、必ず手首がへの字に見える形を作ることです。 逆のくの字になっていては、曲がってもたてには絶対に落ちないということを 頭の中にたたき込んで下さい。私のトップの形に入って行きやすい方法に、 グラブに右手を入れる時の形があります。従来の方法はボールが、グラブにつく形、 いわゆる手のひら側がグラブ面を指す形が一般的ですが、 私は逆に手の甲側をグラブ面につけるようにします。この利点は、 もちろんトップへの形がやりやすいこともありますが、 色々な球種の握りをしても手首の形が変化しない事で、高度な野球の中で、打者から見た時、 グラブに入る手首の形及びクセについても盗まれにくい方法でもある、という事を加えておきます。 その時の為にも今からワインドアップやセットの時に、この方法を利用しておくと良いでしよう。 脇の使い方の要領がわかってから、ワインドアップからのカーブを投げてみましょう。 カーブで注意することは、曲げてやろうとする気持ちが強く出るので、 左サイドが早く回転してしまうことが起きて、左肩や左腰、 左膝が逃げてしまう(開きが早くなること)ので腕が遅れすぎて曲がらず、 打者の真ん中高めや肩口から入るという長打コースに行きやすく、 コントロールの狂いが生じてしまいます。そうならない為には左肩、左腰、 左膝を逆の使い方(カベを作る)にすることが大きなポイントです。 これは私のフォームの原理に基づき、全ての球種に対しても同じです。

スライダー

横にスライドさせるボールです。手首の使い方の大と小で変化の大きさが比例します。 握り方はカーブと同じ握りで、違うのは中指の先を少し立てて握ることです。 大きく曲げたいのなら手首を少しひねることで出来ますし、 落ちるスライダーは手首を最後にへの字にすることで出来ます。

高速スライダー

基本はストレートが速い人でないと出来にくいと言う事を頭に入れておいて下さい。 握り方はフォーシーム(幅の広い所の縫い目に指を乗せ握る)からずらして 中指全体だけを縫い目に乗せ、人差し指を中指に近づけた形でストレートの様に握りにします。 その握りからストレートと同じように腕を振りボールをリリースする時中指に少し力を入れてスピンをかける様にするのです。 又逆に人差し指に力を入れて投げる人もいますので自分に会う方を取り入れればいいと思います。 曲がりが少なく落ちずに伸びる様なスライダーになります。

シュート

握り方は縫い目がせまくなった所へ人さし指を縫い目にかけます。 中指は少し開きV字にみえるようにして握ります。 人さし指は少しちぢめて立てて(指の腹でなく先の部分をボールにつける形)下さい。 腕の使い方は、肘は普通に使い人さし指に力を入れ内側から外側へおすようにして投げます。 手首のひねりの大、小で変化は変わります。

シンカー

シュートしながら落ちる球のことです。 シュートの握りでフォークに近い握り(広めのV字)人さし指は立てずに縫い目に合わせます。 投げ方は最後に手首がくの字で手のひらが三塁側を 向くようになる形(人さし指が中指より地面にあるようにする)、 別の方法では、三本指で握り、指先を浮かせ第二関節で握ります。 その形から手首をひねり、小指と薬指の間から出ていくように滑らせるようにして投げます。 手首のフィニッシュの形は手のひらが、三塁側を向いているかたちです。 このボールはチェンジアップとしても使います。

フォーク

握りは縫い目の細い方から人さし指と中指で広い方に向けてはさみます。 投げるとき、両指の第一関節に少し力を入れてスポッと抜くようにして投げるボールです。 手首の形は手のひらが地面に向いたへの字の形を、 最初から最後まで変えないようにして投げることがポイントになります。

チェンジアップ

ストレートに見させて実は遅い球のことです。 ストレートは指先にボールをかけて強いスピンを作り上げスピードアップをはかる球、 逆にチェンジアップは、指先にボールをかけない投げ方をすることで失速ボールを作り出すのです。 スピードボールを投げるよりむずかしいといえます。 俗に言うクソ握りから肘をより大きく出して行き、投げるとき手首をくの字にして、 指の第二関節から出て行くようにして手首(スナップ)を使わずに投げきりますが、 腕の振りはストレートのようにしないと効果はないので注意することです。 又、肘を出しすぎるのであまりこの投げ方はしないで シンカーの投げ方でのチェンジアップが良いと思います。

スクリューボール

私が投げた経験が無いので解りません。悪しからず。

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変化球は、独自の変化であれば、どんな球でも良いのです。 又、それが個性のある変化球となるのです。私の投げ方は一つの方法です。 もし、参考になれば幸いですし、御自身でよりよい変化球を作り出して大いに野球を 楽しんでほしいと願います。変化球が完成すると、色々な組み立てた投球が可能になります。 変化球は、ある意味では、楽な球とも言えます。ストライクゾーンぎりぎりに投げなければ 危険なボールになります。ストレートには、非常にコントロールが求められますがスライダー、 シュートは、やや甘い所をねらって投げ、ベース板の所でベース板の角を通過させて ストライクにしたり、ベース板の角をねらって、ボールになるようにして打者を打ちとったり出来ます。 又、シンカー、フォークなどはド真ん中の低めをねらって投げて、 打者に甘い球が来たとゆだんさせて、実はボールになるように落とし空振りをさせます。 だから、コースをねらう必要の全くない変化球などを、 打者の力量によって投げわけます。打ち取ったときの快感は、投手冥利につきるからです。 私のフォームの理論の完成により、必ずこのようなことが出来る時が来ると思います。 日々訓練をして楽しい野球をしてほしいと願います。



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