高速ツアラーの原点

SKYLINE 2000 GT-R  &  BMW 2002 TURBO

日産 スカイライン2000 GT-R 
     & 
BMW 2002 TURBO



数々の伝説を残した2台の名車
今なお引き継がれ、生産され続ける
グランツーリスもの原点がここにある。

どちらもオリジナリティーの塊のような
車であるが、意外と共通する点も多い。
今回はこの2台を1/18の視点で検証
してみた。

スカイライン2000 GT、通称ハコスカ は1968年スカイラインシリーズの3代目として登場したのであるが、初代
でミケロッティーデザインのスペシャリティーカー、 スカイラインスポーツを始め、日本グランプリでポルシェとデッド
ヒートを繰り広げた2代目 S54B型など常に注目を集めたモデル同様、伝説として語られる事の多い車である。

その中でも GT-Rはレースで戦うことを目的にレーシングカーのR380に搭載されたGR8型エンジンを デチューン
して作られた S20型を積んでおり、生産台数も僅か2,142台のまさに市販のレースカーであったと言える。
1969年のJAFグランプリを皮切りに49連勝、通算50勝を達成したことはあまりにも有名である。

一方のBMW2002は従来から続く1600シリーズのコンパクトボディーに4ドアセダン、BMW2000のエンジンを
搭載したモデルとして1968年に登場しており、ツインキャブモデルの2002ti 、メカニカルインジェクションモデル
の2002tii、 を経て市販車初のターボモデル 2002Turbo に至るのである。
ターボを搭載するに至る経緯は、グループ5のツーリングカー選手権にて宿敵のポルシェを打倒するため航空機
エンジンの分野で培ったターボの技術をいち早く導入したと言われており、スポーツカーのポルシェにセダンで挑
む姿はスカイラインと共通したところである。
また、2002Turbo の生産台数は1,672台で希少性の高さからも似た2台と言える。

スカイライン2000GT-R
全長 : 4395mm      車両重量 : 1120kg 
全幅 : 1610mm
全高 : 1385mm

BMW2002 TURBO
全長 : 4220mm     車両重量 : 1035kg 
全幅 : 1620mm
全高 : 1410mm

前から見た車幅は上記のスペック同様、BMWの方がオーバーフェンダーとスポイラーの分広いが、後ろから見た
車幅は逆にスカイラインの方が広く、専用に設計されたボディーと従来からのコンパクトカーを元に作られた車体
の違いを見て取れるのであるが、両車共にバックミラーに迫る姿を見たら道を譲らずにはいられない迫力を持って
いることに違いは無い。
「GT-R」 のエンブレムと 「TURBO」の逆文字は高速巡航するグランツーリスもの証なのである。

エンジン : 水冷直列4気筒 OHC 1990cc
パワー  : 170hp / 5800rpm
最大トル ク: 24.5 / 4000rpm
トランスミッション : 5段
ブレーキ : F / ディスク  R / ドラム

エンジン : 水冷直列4気筒 DOHC 1989cc
パワー  : 160hp / 7000rpm
最大トルク : 18.0 / 5600rpm
トランスミッション : 5段
ブレーキ : F / ディスク  R / ドラム

車両重量、エンジンのスペックを比べる限りではBMWに分が有るのであるが、この頃のターボは特に回転上昇
に伴い一気に威力を発揮するいわゆる「ドッカンターボ」と言われているもので、ブースト計の針を気にしながら常
にパワーを引き出す走りをするには大変な技術を要した事であろう。
逆にスカイラインはパワー、トルクとも市販車レベルでは負けているのであるが、DOHC 6気筒 NAによる下から
安定したパワーを引き出す事で,、乗り手を選ぶと言われたこの車もドライバーの負担は意外と軽かったのではな
いだろうかか。
さらに S20型の素材としての良さはまだまだパワーに余裕を持たしており、現にレースでは220馬力を越す
エンジンを積んだマシーンが活躍したのである。

ボディーは質実剛健な日産、
合理性のBMWと言われる箇所
が随所に見られる。
その一つにサスペンション等、
ハードな耐久レースをも意識し
た様なスカイラインと、軽量で
応答性の良い足回りを追求し
たBMWとの違いを見て取る事
ができる。

オイルパンの大きさは一目瞭然
であるが、スカイラインのそれは
6気筒という事を差し引いても
大型である。
オイル容量は6Lと、2000cc
クラスにしては最大級であるが、
これは冷却能力を上げるためだ
と言われている。
対するBMWは標準でオイル
クーラーを装備する。

排気系について考察してみる
とステンレスの集合管にデュ
アルマフラーのスカイラインに
対し、BMWはマフラーの取り回
しを含めあまり効率の良い排気
とは思えないのであるが、逆に
エキゾーストパイプ、マフラー
を変更することで更なるパワー
アップを秘めていると言える。

1960年代、ポルシェなどに代表されるスポーツカーが カッコいい車の代名詞であったが、スカイラインや BMW
2002といった「箱」でレーシーな車の登場により流線型には無いカッコよさが一般にも認識され始めたのである。
アウトバーンで、又サーキットで高速巡航可能な箱、今回紹介した2台はそんなグランツーリスモの原点であると
言えるだろう。

1/18 スカイライン 2000 GT-R  by 京商 
1/18 BMW 2002 TURBO  by  AUTOart
Analog Cars