MSR-project:2

http://www.m-system.co.jp/


  1. 信号変換器と呼ばれる小さな箱は機械からのアナログ&デジタル信号を受け取ってパソコンに伝える為のものです。それまでは工場の壁などにとりつけられていたりする、タダの黒い箱でした。
    ところが、パソコンで信号を受け取って計測したりデーターを収集分析するようになると、普通の机の上でデスクトップパソコンやノートパソコンと共に使われる事になります。
    それまでは工業製品として車や電化製品のように見栄えなど気にする必要が無かったのですが、新製品では、その必要が生まれるわけです。

    副社長の宮道氏は新製品の外形デザインに関して、「地元大阪のデザイナーに限らず捜してみよう」と、インターネットにアクセスし、私のNEXTdesignのHPを見つけたようです。
    初めて私が受け取ったメイルは今までの私のデザインした製品を見て、そのデザインテイストが個人的に気に入ったというメイルでした。
    クライアントの方とデザインに対する美意識(鑑識眼)が同調することは、デザインビジネスにとって重要です。
    デザイナーがよかれと思って提案した形が、クライアントの美意識の範疇外であったら、まずそのデザインは受け取ってもらえません。

    数通のメイルの後に名古屋の支社で顔を合わせ、打ち合わせ行うことになりました。
    M-System社は名古屋に支社があったことも当方には幸いです。

デザイン契約を取り交わし、実際にまずはじめたのは製品の大きさの検討です。
普通の机の上で、デスクトップパソコンやノートパソコンと共に使われるとのこと。持ち運びも考えると小さくて薄いほどベター。
もちろん内部部品(基盤・その上に載る部品等)の制約で自ずとその大きさは決まってゆくのですが・・・。

m-systemより提示された設計案の外形


作業上、数多くある前面の端子に様々な線をドライバーで結線して使う。
壁面に取り付けてある場合は問題ありませんが、単体で机上で使う場合、片方の手で機械の本体をしっかりつかんで、もう片方でドライバーでネジ止めという作業になります。片手で本体ボディをしっかりつかめる製品の大きさ、厚みでないといけません。

M-system側から出た設計案の外形はデザインの立場から見て、少し問題ある寸法でした。
競合メーカーのものよりもやや大きいですし、上から押さえつけにくい厚み(50mm)で、かつ手でしっかりつかめない幅(機械の奥行き96mm)でした。ほんの数ミリのサイズが、大きくその製品の使い勝手に影響することを注意していなければなりません。

(親指の第一関節骨の机上からの高さ、大人男で40mmはOK、50mmはNG)

(親指と人差し指でつまむ場合、96mmでは股がはりすぎる。85〜86mmが限界。)

工業デザイナーとしては、まず相手側提示の外形が何故その寸法になっているのか?理由を明確に捉えておく必要があります。メイルによる頻繁な打ち合わせを行うと、厚み50mm の意味はそう重要なものではありませんでした。